高麗人参の産地~カナダ編~
カナダの高麗人参はアメリカ人参と同じ
カナダの高麗人参は、西洋人参というジャンルに分類することができます。
一般的に高麗人参というと、韓国や中国などで栽培されているものを思い浮かべる人が多いですが、高麗人参の仲間として西洋人参というものが存在します。西洋人参に関してはアメリカでも栽培が盛んに行われているため別名「アメリカ人参」ともよばれているのが特徴です。
そのため、カナダで栽培された高麗人参のことを「カナダ産アメリカ人参」とよんで区別することもあります。
一見ややこしいように感じますが、アメリカで栽培されているものも、カナダで栽培されているものも、基本的には全く同じ西洋人参であり、成分なども一緒だと考えて良いです。
カナダにおける高麗人参の歴史
最初に高麗人参が発見されたのは中国や韓国の山奥でした。高麗人参の効能の素晴らしさは中国や韓国のみにとどまらず、日本などのアジア圏やヨーロッパにも知れ渡るようになります。
その流れでカナダにも高麗人参の情報が入ってくるようになり、17世紀頃には東ヨーロッパからモンゴル高原にかけて旅を行っていた宣教師ジャルトゥーによって、人参に関する詳しい調査記録が作成されました。東ヨーロッパからモンゴル高原には自生した人参があり、それについて詳細が書かれている記録でした。
さらに、それを読んだカナダ最重のフランス人宣教師ラフィトゥは、モンゴル高原とカナダの山林地帯が似た気候であることに気づき、カナダにも自生した人参が存在するのではと考え、探索を始めます。そして実際、1716年に自生した高麗人参が発見されたのでした。探索時には高麗人参の絵を描き、それをカナダの先住民に見せて、探索協力をお願いしたという話も有名です。
韓国や中国などで流通している高麗人参とは少し特徴が異なるものの、高麗人参にしか含まれていないジンセノサイドという成分が含まれていたことから、高麗人参の一種として登録され、その際に「西洋人参」という名前がついたといわれています。
カナダの山林地帯は高麗人参の栽培にとても適しており、1800年代までは自生した高麗人参も存在していました。しかし、その効能の高さから乱獲が起こってしまい、現在では自生している高麗人参は貴重な存在として扱われています。
また、カナダ産アメリカ人参は韓国や中国の高麗人参に比べると、ジンセノサイドの含有量が少ないという特徴を持っています。そのため、比較的安価で取引されることが多く、穏やかな効き目を売りにしているサプリメントなどで使用されることが多いです。リーズナブルな価格で高麗人参を楽しみたい場合にうってつけといえます。